不正 ローテーションの重要性:機会[2]
不正の発生を抑えるためには、機会(不正のチャンス。不正ができる抜け道や環境)を減らすことが最も重要ではないかと思います。
しかし、そうなると、チェック作業や承認プロセスを増やそう、ということになり、業務の効率性を大きく損なうことにもなりかねません。
ですが、機会を減らすのには他にも有効な方法があります。
それが「ローテーションの実施」、つまり異動です。
必ず何年でローテーション、というのはあまりに硬直的ですが、例えば「5年以内に必ずローテーションする」と決めて実践することです。
ここで大事なのは、例外を作らないことです。
「この仕事はあの人しかできない」「今は後任が見当たらない」は一時的な延期理由とするならともかく、永久化させるのは厳禁です。
こういうことが口にされるときには、誰も「その人」が不正をする、不正をしているなどと思ってもいないと思います。
しかし、不正はいつでも「まさかあの人が」です。
不正を完全に予防するのは困難です。
しかしローテーションがあれば、異動の時点でほとんどの不正は終わりますし、また後任によって不正が発覚するでしょう。
そして、「ローテーションが必ず行われる→必ずそのタイミングで発覚する」という状況なら、不正を思いとどまらせる牽制効果も見込まれます。
竹内由多可