会社法 附属明細書の必要性

★「・・・だから必要です」ということではなく、「必要性がわからない」という内容です

現在の日本では、財務諸表に関して、会社法と金融商品取引法は多少は統合が進んだものの、いまだにバラバラな部分が少なからずあります。

このため、「計算書類のためだけに」あるいは「有価証券報告書のためだけに」という開示があります。

その中でも、私が最も必要性が乏しいと思っているのが、計算書類の「附属明細書」です。

おそらく、経理部門の方や公認会計士の方以外は、「何それ?」だと思いますが、会社法で計算書類の「附属」として作成され、監査証明の対象となる「有形固定資産及び無形固定遺産の明細」「引当金の明細」「販売費及び一般管理費の明細」(会社計算規則第117条)の3つのことです。

なぜ必要性が「?」なのかですが、まず、この附属明細書ですが、このご時世において、そもそも➀「個別財務諸表」に係るものです。個別財務諸表の存在意義が問われている中、その附属明細は、尚更必要性がわかりません。

また、②招集通知に添付することも要求されていません(任意で添付しているケースも見たことがありません)

株主総会の会場に備え置かれ、株主は見ることができるのですが、③「株主が見に来た」ということも聞いたことがありません。

一方で、これらの内容は、その後、④有価証券報告書でほぼ開示されます。

なので、どうしてそもそも存在理由が見いだし難い(➀)、そのタイミングでは誰にも見せない(②)、そして誰も見ない(③)、しかし有価証券報告書には記載する(④)ものを、経理部門と監査人が多忙を極める会社法決算のタイミングで作らせるルールがなぜ今も生き残っているのか、私にはよくわかりません(もちろん、監査人としては、監査対象なので監査をし、誤りがあれば修正を依頼しますが)。

根本的には、そもそも不要な条項は省き、会社法と金融商品取引法の開示は統合するべきですが、それが遅々として進まないなら、せめて繁忙のピーク時の作業を少しでも減らせるようなマイナーチェンジ改正を年々進めていただけないかと思います。

竹内由多可