KAM(監査上の主要な検討事項)[1]

有価証券報告書や、招集通知に添付されている、監査人(会計士)による「監査報告書」を見たことがありますでしょうか。

これまでの監査報告書は、イレギュラーなケースや強調事項と言われる箇所を除き、どこの会社の監査報告書も会社名や日付以外は全て同一のものでした。

これは、監査人の自由にしてしまうと、いろいろなバリエーションが出てきて、ユーザーはどのように見てどのように評価したらよいのか困ってしまうという判断の下、一律のひな型に従うよう規定されているからです。

このひな型に、オリジナルな要素を組み込むものが「KAM」です。

KAM とは Key Audit Matters の略で、監査上の主要な検討事項 のことです。

KAMは、要すれば、1年間の監査の中で、「主要なもの」として取り扱った事項について「監査人」が説明するものであり、以下のような規定がなされています。

  1. 上場会社の有価証券報告書の監査報告書でのみ記載する(会社法の監査報告書や、四半期報告書は対象外)
  2. 2021/3/31決算から強制適用開始
  3. 「何を主要な検討事項としたか」「その理由」「実施した監査手続」を記載する
  4. 絶対的にリスクが高い項目ではなく、相対的にリスクが高い項目を書く
  5. 通常の会社であれば、KAMがゼロということは想定されない
  6. 連結・単体いずれでも書く

2020/3決算でも早期適用は可能でしたので、日本を代表する大企業を中心に約50社が早期適用しており、内容について様々なところで分析や解析がなされています。

といっても50社だったのが、この6月には2000社超の開示が一気に始まるということです。

何回かに分けて、この「KAM」について考えてみたいと思います。

ご参考になれば幸いです。

竹内由多可

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