巨額M&A

JIJI.COMによれば、日立製作所が以下の巨額M&Aについて発表したとのことです。

”日立製作所は31日、米IT企業のグローバルロジックを買収すると発表した。買収総額は96億ドル(約1兆円)で、日立の買収額としては過去最大級。経営の軸とするIT分野を強化するのが狙いで、事業の選択と集中を加速する。7月末までの完了を目指す。”

このニュースに関して、私が思うところを述べたいと思います。

【取得関連費用の重さ】

取得関連費用としてアドバイザリー費用等々が発生しますが、かなりの規模となり、2022/3の利益を圧迫すると思われます。

【のれんの重さ】

直感的にですが、買収先企業の業種的にのれんが多額に発生すると思われます。IFRSを採用しているためのれんは非償却です。このため、減損テストは毎期、慎重に慎重を期して実施されることになると思われます。

【(連結)償却負担の重さ】

「顧客」や「技術」等、個別に識別可能な無形資産については償却対象資産になりますが、総額が1兆円なだけに、これら無形資産の償却負担も重いと思われます。仮に3,000億円、10年償却であれば毎年300億円です。

【その他】

折しも、円安が進んでいる最中です。M&Aは交渉事ですので、タイミングが合わなければ不成立だったり、コンペティターにかっさらわれる可能性もあるため、当事者としては許容範囲内であるのかもしれませんが、この間まで104~5円だったところから急激に円安が進んだところで、「割高では?」という感じがします。単純に5%割高なら500億円となり、これが単なる為替レート変動の影響だと思うと、もったいないなと思ってしまいます。

3/31のマーケットは、7%安となりました(3/30終値5,398→3/31終値5,004)

なお、巨額M&Aとして話題になった、武田薬品によるシャイアー買収ですが、発表をしたのが2018/5/8ですが、株価は以下のような結果となっています。

2018/5/9 4,529円 → 2021/3/31 3,985円 △544円(△12%)

株価だけを切り取ると、今のところは成功と言い難い状況なのでしょうか(まだ評価を下すほど時間が経過がしていないという意見もあるとは思いますが)

日立製作所の決断はどのような将来につながるのでしょうか。

ご参考になれば幸いです。

竹内由多可

前の記事

医療費控除