経団連ひな型改訂(2021/3/9)

経団連は2021年3月9日に、いわゆる経団連ひな型(会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型)を改訂、公表しました(詳しくはこちら)。

これは、会社法・会社法施行規則等の改正や、「収益認識に関する会計基準」「時価の算定に関する会計基準」「会計上の見積の開示に関する会計基準」の策定を受けて会社法計算規則が改正されたことによるものです。

経団連ひな型は、新旧対照表の公表や、全5回に分けた解説もなされていますので、詳細については上記リンクより経団連HPにてご確認ください。

ここでは、(重要なものというわけではなく)新ひな型についての感想を述べたいと思います。

・西暦に切り替えている

従来は元号を標準としていましたが、今回、元号が平成→令和となったタイミングということだと思いますが、西暦が標準となっています。
ただ、法令等については引き続き、元号のみが正しい記述になるため留意が必要です(例えば土地再評価の場合は「土地の再評価に関する法律(平成 10 年 3 月 31 日公布法律第 34 号)」となります)

・収益認識について、いわゆる分解注記を例示している

収益認識の開示は来期(2022/3)からですが、先行して例示しています。
従来の会社計算規則では、分解注記は必須とはされていませんでしたが、今回の改正により、必須となりました。
ただ、全ての会社法会社に適用するのは実務負担が重いという声に対応し、連結計算書類の作成義務のない会社については省略可能とされています。
その上で、分解注記は表形式ではなく文章形式で、淡々と2文で記載されています。

会計上の見積の開示文例を示している

こちらは当期(2021/3)からの開示が必要ですが、メインの記載例としては、「計算書類においては理解に資する情報の開示は要しないと合理的に判断されるケース」とした上で、説明の末尾で「資する情報として記載する場合の記載例」を示しています。
繰延税金資産について例示していますが、文章としては極めて一般的な記載にとどめているという印象です。
”繰延税金資産の認識は、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額によって見積っております。当該見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、翌事業年度の計算書類において、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。”

・貯蔵品は「最終仕入原価法」を継続

「最終仕入原価法」は、理論的には「?」なところがありますが、重要性がないなら許容されるということで、経団連ひな型としては引き続き、意図的に明示しているものと思われます。

ご参考になれば幸いです。

竹内由多可

次の記事

会計基準の変遷[1]