会計基準の変遷[1]
2022/3期より、収益基準が強制適用されます。
思えば、監査・会計の世界ではこの20年あまりで、多くの会計基準が導入・改訂されてきました。
怒涛のように新規基準のラッシュが続いた2010年までのものについて、主要なものだけピックアップしてみました。
時期 | 名称 | 主な特徴(私見) |
2000/3 | 連結 | 連結上位、支配力基準 |
連結キャッシュ・フロー | 営業・投資・財務で開示 | |
研究開発費 | 原則 即時費用化、ソフトウェアの処理統一 | |
税効果 | 基本 資産負債法 | |
2001/3 | 退職給付 | 「隠れ債務」をオンバランス |
金融商品 | 時価評価、ヘッジ会計 | |
外貨 | 為替換算調整勘定 | |
2006/3 | 減損 | 資金生成単位の概念、2期連続赤字は減損の兆候 |
2007/3 | 企業結合 | パーチェス法 |
ストック・オプション | 株式報酬費用 | |
2009/3 | 棚卸資産 | 収益性低下による評価減(低価法) |
リース | 例外が標準化していたものを廃止 | |
実務対応報告18号 | 在外子会社はIFRSかUSに修正を加えて取り込む | |
2010/3 | 工事契約 | 明確化 |
上記のほか、制度的には2009/3からは四半期報告とJ-SOXも始まっていますので、関係者にとってはとてもハードな10年間だったと思います。
仮に、これらの基準が適用される前の会計基準で今、財務諸表を作成するとどうなるのでしょう。
・・・全く想像がつきません。
そういう意味では、「今、スマホ・PC・インターネット・電子決済なしで暮らすとどうなるでしょう」と同じくらい、激変してしまったと言えるような気がします。
ご参考になれば幸いです。
竹内由多可