東レ 元従業員が2.5億円横領

東レは2021/4/28、元従業員が2.5億円を横領していたと公表しました(同社プレスリリースはこちら

主な公表内容は以下のとおりです。

  • 元従業員が、担当する繊維(糸)を販売する商流において、糸加工の業務委託に関連し長年にわたり当該業務代金を委託先から自らに環流させ着服した。
  • 社内調査では、現在までに約2億5千万円の着服を確認した。
  • 商流の一部において、本来あるべき時期よりも早期に販売先に対する売上を計上するという不適切な会計処理があることも確認
  • 業績に与える影響は軽微
  • 元従業員を本年4月27日付で懲戒解雇処分

読み取れるところとしては、「糸の加工を業務委託する際に、通常の取引価格よりも高い価格で発注・会社資金で支払い、差額部分の一部もしくは全部をキックバックさせた」ということだと思います。

キックバックは、仕入先・外注先の協力なくしては実施しえないため、今回の委託先も協力していたものと考えられますが、一緒になって甘い汁を吸っていたのか、取引上の力関係から、やむなく協力していたかは読み取れないところです。

また、東レの社内に協力者がいたかどうかも読み取れませんが、仮に社内協力者がいなくともキックバックは容易に実行可能です。

なぜなら、何年かけて2億5千万まで積み上げたのかはわかりませんが、仮に本来の取引価格が1,000のときに、1%上乗せした1,010円が「その価格はおかしい」と周り(事務処理者、上長、内部監査等)が気が付くことは極めて難しいからです。

そもそも異常値として識別されることもないと思われますし、価格の理由も「小回りが利くから」「難しい加工だから」等々なんとでもなるためです。

東レは繊維業種であり、推測するに、これまで多くの不正が発生し、その都度再発防止策を講じ、管理強化に努めてきたのだと思いますが、やはり、キックバックを完璧に防止することは極めて困難、ということなのかなと思います。

ご参考になれば幸いです。

竹内由多可

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