会計士協会発行「監査提言集」(2020年版)

★例年同様であれば、来る2021/7/1には2021年版が発行されると思われます。1年前の2020版を紹介します。

2021/6/28現在、日本には約3,800社の上場企業があります。また、非上場であっても会社法により公認会計士による監査が義務付けられている会社が多数あります。

そして、残念ながら、毎年必ず、粉飾や横領、(まれに「間違えた」というものもありますが)、「不適切な会計処理」として括られる、「結果的に過去の財務諸表は誤った情報を開示していました」という案件が発生します。

会計士協会(JICPA)は、主に「不適切な会計処理」に関して、調査や審査を通じて得られた有用な知見を「監査提言集」として会員向けに発行しています。そして、これは会員向けのみならず、一般向けにもポイントや事例の概要等を集約した形で「監査提言集(一般用)として公表されています(リンクはこちら)。

読むのは骨が折れます。私自身も全て読んでいるかと言われると、読めておりません。

基本的に不適切な会計処理には意図的な不正が多く、意図的な不正は当然ながら、発覚しづらいようにいろいろな工夫がこらしてありますので、理解をしようと思うと「なるほど・・・なるほど・・・」と理解を積み上げる必要があります。

理解し易いように、ということで、スキームや登場人物など、適宜図表なども記載されていますが、それでも文章のボリュームが大きい・・・というところです。

それでも、このような事例集は、大事だと思います。

不適切会計事案への対応は、極めてハードです。経験したことがある監査人と、経験したことがない監査人にはいろいろな意味で大きな差があると思います。そして、事案も国内・海外、本社・子会社、本業・ノンコア・非ビジネス領域、経営者・従業と多種多様です。

ですが、経験しようと思えば誰でもいつでも経験できるようなものでもありません(発生率で言えば、公表事案が毎年上場企業の1%程度です)

それだけに、経験がない監査人は、「こんな事案が実際に起きている」ことを、経験がある監査人は、「こんなにバリエーションがあるのか」ということを知る必要があるのでは、と思う次第です。

また、監査役はじめガバナンスを担う方々にとっても、自社の管理上のウィークポイントの確認などのために、有用な資料になると思います。

ご参考になれば幸いです。

竹内由多可