会計士協会発行「監査提言集」(2021年版)
★前回ご案内したとおり、2021/7/1に、本年度版の「監査提言集」が発行されました。
前回(こちら)ご案内したとおり、その後、7/1に日本公認会計士協会より、「監査提言集」が発行されました(こちら)。
冒頭から読んでいくと、昨年と同内容の項目が多いですが、新規事例もあります。
(新規事例には目印でもつけておいていただけるとよりユーザーフレンドリーだと思います)
新規事例は以下のとおりです(目視チェックなので誤っていたらご容赦ください)
- Ⅱ-9 減損の兆候判定資料の操作による減損回避
- Ⅱ-10 十分な情報が得られない場合ののれんの評価
- Ⅱ-11 貸倒引当金の見積方法
- Ⅵ-5 複数年にわたる訂正後の財務諸表に対する監
古い事例を改めて記載する、というよりは、やはり近年の新規事例を追加している(のだと思います)。
つまり、残念ながら不適切な事例は発生し続けているということです。
ところで、この提言集、冒頭に「17の提言」があり、いずれもその通りだなあと思うものばかりなのですが、その中で昨年から若干文言が変わっているものがありました(No.16)
(昨年)時間的制約のある監査人交代は、重要な虚偽表示リスクを著しく高めることがあることを理解する。
(今年)時間的制約のある監査人交代は、監査リスクが著しく高いことがあることを理解する。
「重要な虚偽表示リスク」→「監査リスク」とし、かつ、「著しく高める」→「著しく高い」とすることで、時間がない中での監査人交代は、よりベーシックな部分でリスクが高いということを強調したいのだと思います。
ご参考になれば幸いです。
竹内由多可