ニップン_第1四半期決算発表(サイバー攻撃影響)

★サイバー攻撃により四半期報告書提出の3か月延長が認められていたニップンですが、2021/10/29に短信(こちら)を公表していました。

以前(こちら)記載しましたが、ニップンは、サイバー攻撃により法定期限内の第1四半期報告書の提出が不可能となっており、異例の3か月延長が認められていました。

2021/10/29に、第1四半期の決算短信が公表されていました。

【サイバー攻撃の影響額】

サイバー攻撃を受けたのは7月に入ってからですので、被害額が第1四半期決算の損益計算書に計上されることはないと考えられますが、第2四半期決算以降に直接的被害や再発防止策等でどのような影響が見込まれるのかが気になるところですが、以下の記載となっています。

”当社は2021年7月7日に発生したサイバー攻撃によるシステム障害の影響で2022年3月期第1四半期の連結決算発表を延期するとともに、四半期報告書の提出期限を延長いたしました。本件が第2四半期以降の業績に与える影響は精査中ではございますが、現時点においては、業績予想の数値を修正する状況には至らないものと見込んでおります。しかしながら、予想値と重要な差異が生じるなど今後公表すべき事案が発生した場合は、速やかにお知らせいたします。”

金額が微小なのか、あるいは他に増益要因がありそれによって業績予想を下方修正する必要はない結果となっているのかなどはわかりませんが、いずれにせよ、現時点では当初の業績予想値から重要な下方乖離は想定していないとの会社の判断のようです。

なお、四半期報告書の提出は決算短信によれば、承認された期限である「2021/11/15」を予定しているとのことであり、四半期報告書の後発事象等で、どのような開示がなされるかも気になるところです。

【短信と四半期報告書の日時のズレ】

上記のとおり、短信は2021/10/29に公表されているものの、四半期報告書の開示は2021/11/15の予定とのことであり、2週間以上間隔が空いています。

このような延長の際には、短信と四半期報告書では間隔を空けないことが多いと思われ、今回、どのような経緯や判断でこうなったのか、気になるところです。

なぜなら、短信は証券取引所、四半期報告書は金融庁で提出先が異なり、もともとの期限を超過している以上、数字が確定次第遅滞なく提出する、というのが求められる状況です。このため、両者で間隔が空くということは、後になった方の利用者・利害関係者から見れば「なぜ間隔が空くのか。尊重されていない?」と考えるであろうためです。

もちろん、合理的な理由が存在するのかもしれません。しかし、あるとしても思いつくのは「監査法人の四半期レビューが未了だから四半期報告書はアト」というものですが、このような事態で四半期レビュー未了状態で短信を公表するのはリスクが高く、そのリスクは結果的には利用者が負うことになるでしょうから、それは合理的な判断とは思われません。何があったのでしょうか。

公表されている情報からはこれ以上読み取れませんでしたが、かなり珍しい事例であるように思われます。

ご参考になれば幸いです。

竹内由多可